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特定承継人の責任について

 区分所有者による管理費等の滞納理由は、生活困窮等の何らかの経済的事情や、口座に預金残高が
不足していたため自動振替ができなかったとか、送金手続をうっかり忘れていたという理由が主なも
のとして考えられる。しかし、中には区分所有権の売買を想定し、意図的に支払いを行わないという
場合もある。区分所有者による管理費等の滞納は、管理組合会計の収支を圧迫し、管理業務が予定通
り実施出来なくなることにもつながり、管理組合の運営や資産の保全に重大な影響をきたす。
従って、未収入金の徴収には、積極的な対応が必要となる。
 区分所有者が滞納したまま区分所有権を譲渡した場合、特定承継人は、その善意・悪意を問わず、
その債務の弁済を行う責任を負うことになる。そして、さらに転々と譲渡された場合、中間取得者は
その責任を負うのかというのが問題になる。
 大阪地判昭和62.6.23では「特定承継人の債務負担は、区分所有権を現に有する特定承継人に限ら
れるべきである。」とし、中間取得者の責任を否定する判例となっている。
 しかしながら、近時の裁判例、例えば大阪地判平成21.3.12.では、「区分所有建物の管理費等は、
建物及び敷地の現状を維持・修繕する等のために使用されるものであり、当該建物等の全体の価値に
化体しているということができ、中間取得者といえども、その所有にかかる期間中は上記の価値を享
受しているのであるし、また、中間取得者においては、売買等による換価処分の際、上記建物等に化
体した価値に対応する利益を享受しているのであるから、かかる債権の行使を中間取得者に認めたと
しても必ず不当だとはいえない。さらに同条の文言は「区分所有者の特定承継人」と規定するのみで、
その善悪等の主観的態様はもちろん、厳に区分所有権を有している特定承継人に限定しているわけで
はないし、一方で、中間取得者が上記の「特定承継人」に該当しないとすると、本件被告のように訴
訟中、あるいは敗訴判決確定後に、区分所有権を譲渡すれば、その中間取得者はその責任を免れるこ
とになり、管理組合等の管理費の負担側の地質的保護に欠けることになりかねない。以上によれば中
間取得者であっても、区分所有法8条に定める「区分所有者の特定承継人」にあたるべきである。」
としている。このことからも、管理費等の滞納については、滞納した前区分所有者、中間取得者を含
む特定承継人が、その支払いの責任を負うものである。(S.K)

※化体…観念的な事柄を、具体的な形のあるもので表すこと。

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