オフィスにおける観葉植物の設置と緑視率について

グリーンレンタル

2024年5月1日

2024年3月27日から4月21日の間、「佐倉市市政施行70周年記念事業 佐倉チューリップフェスタ2024」(※1)では、昨年よりも多い約100種類70万本のチューリップが、日本初の水くみ用オランダ風車「リーフデ(友愛)」を背景に、咲きほこりました。開放的で自然豊かな印旛沼湖畔で、多くの方が春の訪れを感じたことでしょう。

「都市緑地法」に基づき各自治体は「緑の基本計画」を策定しています。国土交通省の「緑の基本計画策定の手引き」においては、都市部を中心に、多様な生物が生息・生育できる空間が極めて少なくなっているため、多様な生物の生息・生育環境となる緑地の保全・創出の推進が図られなければならないとされています。緑地の保全・創出にあたっては、「緑の量」を把握するため採用される指標に「緑視率」があります。緑視率とは、人の視界における草木、すなわち緑の多さを計る割合のことです。 これは、緑視率=(緑の面積)÷(撮影範囲)で表されます。

大阪府では、緑視率調査ガイドライン(※3)において、「緑視率の目標値については、緑視率の性格上、一律の目標値を定める指標としては馴染まないものと考えており、当面は、設定しません。既往調査において、緑視率25%以上が、緑が多いと感じはじめる、といった結果が得られています。 そのため、緑視率25%以上が目標値の目安になると考えられます。」とあります。緑視率は、都市計画や景観設計、環境保護政策などの分野で使用されている指標ですが、人々の心理的健康や生活の質の向上に向けて重要な指標だと思われます。

オフィスワーカーにとってオフィス空間は、一日の大部分を過ごす執務空間です。観葉植物の設置による室内緑化は、植物という視覚的効果を与えることで、ストレスの低減や、快適性、生産性の向上に寄与することを目的とします。「室内緑化によるオフィスの労働環境向上に関する研究」(※4)では、「オフィスワーカーの心理的効果を最高にする適切な植物量が存在する。植物量評価が少なすぎても多すぎても心理的評価は下がり、中程度の植物量評価のときに心理的評価が最高になる。」としています。また、「室内植物におけるオフィスワーカーのメンタルヘルスケアに関する実証研究」(※5)では、「心理量の自覚症状総合訴えスコアでは、phase3(緑視率10~14%)でストレス緩和効果が見られたが、その効果は性別や年齢で異なる。」と示唆しました。これらから、労働環境の向上に寄与するオフィスにおける観葉植物の設置にあたっては、適切な植物量を決定するために、緑視率10~14%を参考にエリア別の検証を図っていく必要があると思われます。(S.K)

オフィスの環境改善に向けて、観葉植物の設置をお考えの方は、京葉ビルサービスのグリーンレンタル(※定期清掃契約のオプションサービス)について、是非お問い合わせください。(☏047-484-0949)

※1 https://www.city.sakura.lg.jp/soshiki/sakuranomiryoku/event_kanko/2990.html

※2 https://www.mlit.go.jp/toshi/park/toshi_parkgreen_tk_000075.html

※3 https://www.pref.osaka.lg.jp/kannosomu/ryokushiritsu/

※4 「室内緑化によるオフィスの労働環境向上に関する研究 (その2)SD法による適切な植物量の検討」職業能力開発総合大学紀要 2012年3月 橋本幸博 鳥海吉弘 余儀綾子 中谷友美 ※5 「室内植物によるオフィスワーカーのメンタルヘルスケアに関する実証研究 ワーカーの生理心理反応の観点から見た執務室に最適な植物量の検討」空気調和・衛星工学会大会論文集 2020年9月9日から 源城かほり 蒲原大季 松本博 中野卓立