マンション管理組合お役立ち情報 第3回

マンション

2023年11月17日

マンション管理組合における災害等の備えについてお話させていただきます。参考にしていただき、今すぐ出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。

第3回目は「震災対策のチェック項目」の前編です。

「震災対策のチェック項目(前編)」

【 はじめに 】

 マンションによって、管理組合または、自治会や自主防災等、各組織で役割分担されている場合もあるかと思いますので、マンションの実情に合わせ「チェック項目」の役割を協議し、連携を図ってみてください。

【 1. 震災前の備えチェック項目 】

1)居住者が備えるリストを作成し、周知する

 ●飲料水・非常食等、ライフライン(電気・水道・ガス)が遮断された場合を想定した「物」

の準備

 ●家具の転倒防止・ガラスの飛散防止等、怪我を防ぐ「こと」の準備

2)管理組合等の組織が備えるリストを作成し、準備する

 ●停電対策(自家発電機、各種ライト等)

 ●飲食類(飲料水・非常食等)

 ●救助関連(担架、バール等の工具等)

 ●安全確保関連(ロープ、カラーコーン、養生テープ等)

 ●運営本部(簡易トイレ、テント、ビニールシート、毛布、段ボール、メガホン、ラジオ、

簡易復旧に必要なスコップ等の道具等)

3)ハザードマップ・避難場所・避難経路を確認する

市区町村のハザードマップで、災害の種別ごとに全て確認するようにしましょう。

4)避難経路や安全スペースの確保

緊急時に素早く避難できるように、共用廊下、ベランダなどには物を置かないようにして日頃から避難経路を確保しておきましょう。

5)震災発生時の行動マニュアルを作成し、居住者に周知する

 ●姿勢を低くして、室内の安全な場所に移動する。

 ●揺れが収まったら、玄関・窓等を開けて避難口を確保する。

  など、簡潔な行動マニュアルを作成してみましょう。

6)震災発生時の各組織(管理組合・自治会・自主防災組織等)の行動マニュアルを作成

 ●震度○以上で対策本部を立ち上げる。(どこに設置するかも含めて)

 ●被害状況・安否確認を行い、要救助者の対応にあたる。

 ●地震の情報を収集して、避難かマンション内に留まるか判断し、居住者に周知する。

  (津波、火災の発生の可能性について情報を収集しましょう。)

 ※組織があってもその人が不在な場合が大いに考えられますので、その場にいる人で臨機

対応できるよう、行動マニュアルは必要と考えられます。

7)居住者名簿の整理

 災害時の安否確認には居住者名簿が重要な役割を果たします。常に最新の情報に整理しておきましょう。また、建物の復旧の合意形成にも区分所有者との迅速な連絡が必要になってきますので、改めて確認してみましょう。

8)居住者の安否確認の体制を整える

 各住戸を回って安否確認を行いますが、1件1件確認していると時間がかかってしまいます。迅速に確認できるよう事前に表示ルール等を決め、玄関ドアに「無事です」等の表示があるとわかりやすいです。また、応答がない・居住者と連絡が取れない等の場合、住戸の安否確認をどこまで行うかも事前に決めておくことが必要になります。

9)ゴミの保管について決めておく

 甚大な震災では長期間にわたり、ごみの収集が滞ることが想定されます。通常使用しているゴミ置場は瞬時に収容オーバーになります。その為にも一般ゴミは各住戸で保管する、また、危険物・粗大ゴミをどのように敷地内で保管するかを検討し、居住者へ周知することが必要です。

10)震災訓練を実施する

 ●上記震災対策を踏まえた震災に特化した訓練を実施しましょう。

 今回は、震災前の備えチェック項目についてお話ししましたが、次回は、震災後の備え「震災対策のチェック項目(後編)」についてお話します。