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空き家の困りごと
空き家管理
2026年7月3日
空き家を所有すると、さまざまなトラブルが発生しがちです。
今回のコラムでは、空き家に関するそれぞれのトラブルについて、どのような解決方法があるか解説していきます。
親が入院・施設入所
空き家に関するトラブルは、相続する前でも起きる可能性があります。最も身近な例は高齢の親が入院する介護施設に入所することになり、親が住んでいた自宅が空き家になるというパターンです。
親が家にいない間の管理をどうするか
親と同居していれば大きな問題は発生しづらいですが、親と離れて暮らしている場合で、特に親が介護施設に入所する場合は、長期間自宅には戻ってこない可能性が高いので、親の自宅を適切に管理する必要があります。
自身が頻繁に通えるようであれば、換気や通水、庭の除草などを行いましょう。自身が通えない場合は、空き家管理を専門とする業者に委託する方法があります。自身に代わって空き家管理をしてくれるだけでなく、室内外の様子を撮影した動画などの定期的なレポートが届くサービスを利用するとよいでしょう。
親の入院・施設入所の費用を自宅の売却で捻出したい
入院や施設入所にはまとまった費用が必要になるので、親の自宅を売却して、その資金に充てたいと考えるケースもあるでしょう。しかし、親の自宅の所有権は親にあるので、たとえ子供であっても勝手に売ることはできません。そして注意したいのは、親が認知症になってしまった場合です。意思能力がある、軽度の認知症であれば問題はありませんが、認知症が進行し、意思能力がないと判断される場合は売買契約書にサインをしても無効になります。親に代わって不動産を売却する可能性が将来ある場合は、親が元気なうちに「家族信託」を利用しておくとよいでしょう。
家族信託
家族信託とは、委託者(親)と受託者(子)の両者の間で「信託契約」を締結することで効力が発生し、信託する財産(不動産や金銭等)の管理・処分権限を受託者(子)に設定することができます。家族信託を結ぶことで、子は、親の健康状態に左右されずに、親の代わりに管理を任された不動産(空き家)の売却などが自由に行えるようになります。あくまで管理や処分を任せるだけのもので、子が家賃収入や売却利益を得るものではなく、信託された財産から生じる利益は受益者(通常は委託者と同じ親がなる)ものとなります。
家族信託を結んでいれば、親の入院費や施設入所の費用のために、親の自宅を売却できます。家族信託は、任せる財産や子に与える権限、家族信託が終了した時の残余財産の行先などを柔軟に決められる点にメリットがあります。ただし、認知症になってからは、契約が結べないのであらかじめ契約を取り交わしておく必要があります。契約が問題なく効力を発揮できるよう、書類の作成などの相談は司法書士等の法律の専門家に依頼するとよいでしょう。
家族信託と似た制度に、成年後見制度があります。こちらは親が認知症になり、意思能力を失ってからはじめて効力を発揮します。成年後見人制度は親の財産の必要最低限の維持・管理と身上保護を目的とするものなので、不動産の売却は難しいものの、親が介護施設に入所したり、入院したりといった身の回りの手続を親の代わりに行える点で家族信託にはないメリットがあります。状況に応じて、家族信託と成年後見制度の両方を利用するとよいでしょう。成年後見制度の申立ては家庭裁判所に行います。
次回コラムは、空き家を相続した際によくある悩みごとを掲載します。