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オフィスにおける観葉植物と生産性向上について
グリーンレンタル
2026年5月9日
宮崎県によれば、令和8年3月31日午後2時頃、小林警察署から小林保健所に、死亡事案について通報があり、「患者自宅に保管されていた植物根(推定:グロリオサ)を喫食したことによる食中毒の可能性があり、現在警察で調査中である」と連絡があった。警察の調査によると、患者1名の体内からグロリオサの植物根に由来するコルヒチンが検出された。なお、患者の自宅から植物根(推定:グロリオサ)が発見されたとのこと、が報告された。観葉植物として人気の高いグロリオサの根がヤマイモに似ていることから発生したと思われる事故である。厚生労働省では、「観賞用植物の誤食に注意」として、注意喚起を行っている。※①
グロリオサは赤と黄色の鮮明な花色で、花弁が波型のように反転し、その独特のフォルムから見る人に強い印象を与え、華やかな雰囲気にさせてくれる観葉植物で、花束やアレンジフラワーとして人気が高く、地植えや鉢植えで育てる人も多い。あくまでも観賞用植物であり食してはならない。観賞用植物の中には、口にすることで、毒となるものも少なからずあるので、誤食が増えるこれからの時期については注意が必要だ。

さて、「オフィスにおける観葉植物と生産性向上について」※②のレポートでは、オフィス空間に観葉植物を配置することが、働く人の心理的快適性やストレス緩和にどのような影響を与えるのかを検討し、知的生産性の向上につながる室内緑化のあり方を探っている。現代のオフィスでは、パソコンやVDT作業が長時間化し、視覚疲労や身体的疲労、心理的ストレスが蓄積しやすくなっている。その結果、集中力や快適性が低下し、知的生産性にも悪影響を及ぼす可能性があり、こうした問題意識を背景に、オフィス環境の整備を単なる内装や福利厚生ではなく、企業の経営課題の一つとして位置づけている。
特に注目しているのは、観葉植物などを用いた室内緑化だ。大都市のオフィスでは、窓から自然の緑が見えにくい場合が多く、執務空間内に植物を取り入れることによって、視覚的な癒やしや快適性を補うことが期待される。植物にはストレス緩和や回復効果があるという既往研究を踏まえ、オフィスにおける観葉植物の導入が、働く人の心理面に好影響を与え、結果として知的生産性の向上に寄与する可能性があると考える。
一方で、観葉植物には水やり、日照、剪定、病害虫対策、枯死への対応など、維持管理の手間とコストが伴う。そのため、実際のオフィスでは、管理の容易な人工植物が使われることも少なくない。ここでは単に「植物があるかないか」を見るのではなく、本物の観葉植物と人工植物を比較し、それぞれがオフィスワーカーに与える心理的印象の違いを検討している。つまり、人工植物が観葉植物の代替としてどの程度有効なのか、またどの程度の緑の量が望ましいのかを、心理的評価の面から検証しようとしている。
観葉植物または人工植物を配置した模擬オフィス空間での調査結果を見ると、観葉植物は人工植物よりも、平均的に高い心理的評価を得ている。たとえば、「良い印象」「快適さ」「緑の多さ」「にぎやかさ」「開放感」といった評価では、いずれも観葉植物の方が人工植物より高い傾向を示した。これは、働く人が本物の植物に対して、単なる緑色の物体以上の自然性や快適性を感じている可能性を示している。特に観葉植物の場合、緑視率が高まるにつれて「植物がある」と認識されやすくなり、オフィス空間の印象改善につながりやすい。
観葉植物では、植物量評価と心理的評価の間に明確な相関は認められなかった一方、人工植物では、植物量評価が高くなるほど心理的評価が低下する傾向が見られた。つまり、人工植物の場合、量が多くなると「自然な緑」ではなく「人工的で違和感のある緑」として受け止められ、かえって快適性を損なう可能性がある。人工植物は、適度に使えば一定の効果が期待できるが、過度に目立つ配置は避けるべきだとしている。そして観葉植物は人工植物よりも、平均的に心理的評価と植物量評価の双方で高く評価された。これは、本物の観葉植物が、単に緑の量を増やすだけでなく、空間全体の印象や快適性を高める効果を持つことを示唆している。一方、人工植物については、緑視率が比較的低いレイアウトでは、観葉植物とほぼ同等の心理的評価を得る場合があるとされた。そのため人工植物は、メンテナンスが難しい場所や、遠景として緑を感じさせたい場所では有効な選択肢になり得る。ただし、人工植物を多く配置しすぎると心理的評価が下がる傾向があるため、緑視率を過度に高めず、自然に視界に入る程度に抑えることが重要だとする。
そしてレポートが重視しているのは、知的生産性を支える前提条件としての快適性、ストレス緩和、心理的回復感である。オフィスワーカーが疲労やストレスを感じにくく、空間に対して快適な印象を持てることは、集中力や創造性、継続的な業務遂行を支える重要な環境要因と考えられる。ここでの「生産性向上」とは、短時間で作業量を増やすという意味よりも、働く人が心身の負担を抑えながら、安定して知的作業を続けられる環境を整えることに近い考え方だ。観葉植物は、視覚的な自然要素としてストレスを和らげ、オフィス空間の快適性を高めることで、結果的に知的生産性を支える可能性がある。特に、閉鎖的で無機質になりやすい執務空間、窓から緑が見えないオフィス、長時間のパソコン作業が中心となる職場では、観葉植物の導入は心理的環境改善の手段として有効だと考えられる。
実務的には、各スペースの目的に応じて配置を工夫する必要がある。集中作業を行うデスク周辺では、視界を妨げない小型の観葉植物を置くことが望ましい。休憩スペースや共有空間では、やや大きめの植物を配置することで、リラックス感や空間の印象向上が期待できる。人工植物を使う場合は、遠景や壁面、日照や管理が難しい場所に限定し、過度な量にならないようにすることが重要だ。遠くに人工植物を配置し、机上には自分の好みに合った小型の観葉植物を置くといった組み合わせの可能性が示されている。
以上をまとめると、第一に、観葉植物は人工植物よりも心理的評価が高く、オフィス空間の快適性向上に有効であること。第二に、人工植物は適度な量であれば一定の効果が期待できるが、量が多くなると心理的評価が低下する傾向があること。第三に、観葉植物では緑視率が高まるほど植物量として認識されやすいが、人工植物では緑視率が必ずしも植物量評価に結びつきにくいことだ。これらを踏まえると、オフィスにおける植物活用では、本物の観葉植物を基本としつつ、管理上の制約がある場所では人工植物を補助的に使うのが現実的だ。観葉植物を「装飾品」としてではなく、知的生産性を支える環境要素として捉え、オフィスに適度な緑を取り入れることは、働く人の心理的負担を和らげ、快適で落ち着いた空間をつくることにつながりえる。その結果、集中しやすく、疲れにくく、前向きに働ける環境が整い、知的生産性の向上が期待できる。特に現代のオフィスでは、効率化やICT化が進むほど、逆に人間の感覚や心理に配慮した空間設計が重要になる。観葉植物は、そのための身近で効果的な手段の一つであり、適切な量と配置を考えて導入することが、これからのオフィスづくりにおいて大切だとしている。
オフィス内に設置する観葉植物については、植物に対する基本的な情報と適切な栽培管理が求められます。レンタルグリーンの採用には、適切な栽培管理の経験と実績のある業者選びが大切です。オフィス環境改善に向けて、観葉植物の設置をお考えの方は、京葉ビルサービスのグリーンレンタル(※定期清掃契約のオプションサービス)について、是非お問合せください。(☏047-484-0949)
参考①厚生労働省 「観賞用植物の誤食に注意」https://www.mhlw.go.jp/content/001001642.pdf ②オフィス環境における知的生産性の向上に関する研究 -室内緑化のストレス緩和効果について- 橋本幸博・鳥海吉弘・山川美奈子 https://www.iieej.org/public/committees/dsg/confs/dsg7/dsg7-2.pdf