Useful Information建物管理お役立ち情報
オフィスにおける観葉植物の水やりについて
グリーンレンタル
2025年5月25日

5月から7月のこの時期に、道端や線路際など群生となってコスモスに似た黄色の花、オオキンケイギクが咲きほこっている。自宅付近のその群生は、間違いなく昨年より広がっている。鮮やかな黄色でかわいらしく見えるところから、庭にも植えて育てたいと思う気持ちもわくがそれはいけない。オオキンケイギクは、繁殖力が非常に強く、定着した場所で在来の植物を衰退させるなどの問題を起こし、そのため日本の生態系に重大な影響をおよぼすおそれがあるものとして、平成18年に外来生物法により「特定外来生物」に指定されている。株分けでも種子でも増えるため、草刈りをしてもすぐに再生する。茎が空洞で、風で倒伏しにくいため、30~70センチほどの花の高さも保たれ、受粉や種子の拡散にも有利な構造らしい。見た目が美しく、毒性もないことから、警戒が必要な植物だと知らない人が多いが、栽培・移動・販売・譲渡が禁止されている。庭で育てるどころか、駆除をしなければならず、多くの自治体が喚起している。私たちのそばには、そのような植物が少なからずある。

春先に咲く花は、まとまって咲く性質(群性)があるらしい。それでは植物は誰のために花を咲かせるのだろうか。「面白くて眠れなくなる植物学」では、花は虫を呼び寄せて花粉を運ばせる。そして、受粉をして種を残す。美しい花びらや甘い香りもすべて虫たちにやってきてもらうためであり、そのために花の色や形にも、全て合理的な理由があるとする。春の黄色い花は、アブが好む色で、春先に活動を始める虫だ。アブにきちんと花粉を運んでもらうため、集まって花を咲かし、遠くに行くことなく同じ種類の花を飛びまわってもらうためだそうだ。花畑ができるのにも理由がある。
さて、オフィスにおかれた観葉植物を長く元気に育てるための水やりについてだが(※前回ブログより続く)、実際、植物を枯らしてしまう最も大きな原因が、この水やりではないだろうか。水やりを忘れてしまう方や、水やりを多くあげすぎる方、どちらかが多くいる場合や、混在する場合は、植物にとって不安定であり好ましい状態ではないといえる。
では、そもそもなぜ水やりが重要なのか。植物にとっての水は、次の3つの重要な役割を果たす。まず、光合成に水は不可欠である。植物は水(H₂O)と二酸化炭素(CO₂)を使って光合成を行う。これは植物のエネルギー源であり、水がなければ光合成が停止してしまう。次に蒸散作用による冷却に水が必要となる。葉からの水分の蒸発(蒸散)は、植物体の温度を調節する働きがある。これにより室内環境においても、植物の蒸散が室内湿度を適度に保つ効果が得られる。そして、栄養素の運搬には水が必要である。水は土壌中の養分(カリウム、リン、窒素など)を根から吸い上げ、植物全体に運ぶ。水が不足すると、これらの移動が止まり、成長不良や葉焼けの原因となる。
これらの役割が水やりにはある中で、オフィスにおいては、冷暖房の風が植物に直接当たることで、土壌と葉の乾燥が早まる傾向があり、また、置場所によっては日当たりが悪いため光合成量が減少し、水の必要量も少なくなる。これらの点を意識せず水やりを続けると、根腐れなどを引き起こす。「毎週月曜に水やり」などのルールをつけず、植物の吸水量は季節・日照・空調の影響で日々変化するため、土壌の乾き具合を見て判断することが重要だ。オフィス環境では、目視や手触りで「土の表面が乾いていて、指を1〜2cm入れても湿り気がない状態」を目安に水やりするのが基本的なことと言われている。水やりをする場合には、夏季も冬季も鉢底から流れ出るまで与え、水といっしょに鉢内に新鮮な空気を送り込むように与える。鉢受けには水をためて置かず、水やり後に捨てる。水分チェッカー(土壌水分計)や自動給水器(ウォータースティック)、底面給水鉢なども有効な場面もあるが、やはり経験と知識を持った人の水やりが、オフィスでの観葉植物に元気を与え続けることにつながりそうだ。
オフィス内に設置する観葉植物については、植物に対する基本的な情報と適切な栽培管理が求められます。レンタルグリーンの採用には、適切な栽培管理の経験と実績のある業者選びが大切です。
オフィス環境改善に向けて、観葉植物の設置をお考えの方は、京葉ビルサービスのグリーンレンタル(※定期清掃契約のオプションサービス)について、是非お問合せください。(☏047-484-0949)
参考 ①「面白くて眠れなくなる植物学」筆者 稲垣栄洋 発行所 PHPエディターズ・グループ ②「はじめての観葉植物の手入れと育て方」 発行所 株式会社ナツメ社