給排水設備について

清掃

2024年1月13日

今回は、給排水設備についてご説明します。

建築物の中で利用者が水を使用する為には給水設備が必要で、さらに使用した水を排出する排水設備も併せて必要となります。

ビル管法においては、給水及び排水に関する設備について適切に維持管理する事が求められています。

給水設備

建築物の敷地外にある県や市の水道管から、敷地内水道管に接続します。建築物の設計によっても異なりますが、ビル管法適用物件において多く用いられている給水設備が貯水槽です。貯水槽に貯めた水を建築物内へ加圧ポンプを利用して給水する加圧給水方式と、貯水槽に貯めた水を揚水ポンプで高置水槽へ送り自然流下により給水する高置水槽方式があります。また、ビル管法適用物件であっても、利用人数が少ない場合などは、公営水道から直結して給水する場合もあります。

貯水槽や高置水槽を設置して利用している場合には、年に1回の槽内清掃が義務付けられています。さらに、6ヶ月に1回の16項目もしくは11項目、年に1回の消毒副生成物12項目などの水質検査を実施しなければなりません。

井戸水を水源としている場合には、上記より細かい水質検査基準があり、検査をして安全な水である事を確認しなければなりません。

水は、飲料水や手洗い、ウォシュレットなどに利用され人の体内に入るものであるので、厳しい基準が定められています。

また、ここでは詳しくは触れませんが、給水設備の管理については、ビル管法だけでなく水道法によって定められる場合もありますので、管理には注意が必要です。余談になりますが、ビル管法は保健所の管轄であり、水道法によって定められる管理については各市町村が管轄となります。

排水設備

排水設備には、汚水槽やグリストラップなどがあります。生活排水のうちし尿を除く排水を雑排水といい、し尿を含むトイレからの排水を汚水といいます。建築物の利用人数や設計にもよりますが、雑排水槽や汚水槽を経由して排出される建築物と、雑排水槽や汚水槽を設けずに公共下水道に直接排水してる建築物があります。この他に雨水槽や湧水槽なども設置される事がありますが、ビル管法においては、雑排水槽と汚水槽の定期清掃が義務付けられています。排水設備を適切に維持管理する事で、公共下水道に排出する際の水質基準を遵守し、臭いや害虫発生を抑制することにも繋がります。