マンション管理お役立ち情報

マンション

2023年10月20日

マンション管理組合における災害等の備えについてお話させていただきます。参考にしていただき、今すぐ出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。

第1回目は「災害に強いマンションへの取り組み」です。

「災害に強いマンションへの取り組み」

【 はじめに 】

 日本は地震国であり、1995年阪神淡路大震災、2004年新潟県中越地震、2011年東日本大震災、2016年熊本地震、2018年北海道胆振東部地震など甚大な被害を及ぼしました。

また、集中的な豪雨により河川の氾濫や土砂崩れ等が発生し、広範囲へ渡り建物への浸水や倒壊など甚大な被害を及ぼしました。

この近年で、地震、豪雨、台風、豪雪、竜巻などの災害が多発しており、それによる火災も含め、いつ、どこで、どのような災害が起こるか予測が難しい状況にあると思います。

2023年7月の九州北部の豪雨では、ハザードマップ‘危険区域外’の住宅にも土砂災害が起きており、情報には限界があり、生命・身体及び財産等を守るためには早期の避難判断と日頃の備えがいかに重要か、改めて認識されました。

 では、マンションの場合、災害により受けた被害の復旧にはどのような事が生じてくるのでしょうか。

まず、個人が所有する専有部分と全員の共用に供される共用部分がありますが、専有部分が被災し復旧工事を行う場合、共用部分に係る工事も必要な場合、個人の判断では行うことができない場合もあります。また、共用部分の復旧工事を行う場合、区分所有者の合意が必要となります。応急処置を含め、速やかな復旧を円滑に行うためには「備え」が必要になります。例えば「管理規約」です。災害・緊急時の対応に関する定めを決めておくことが重要で、かつ、共通の理解をしておくことが必要です。

このような日頃の「備え」を管理するのが管理組合です。

災害に強いマンションか弱いマンションかの差は、色々なことを想定しながら「備え」を充実させ、災害復旧費用の確保や日頃からのマンション内のコミュニティー形成をしていけるかどうかだと思います。

【 1. 自分のマンションを知る 】

 自分のマンションの現状を知ることが重要です。知ることで可能な対策を計画することが災害時に大きく役立ちます。下記に知っておきたい例を挙げます。

1)建築構造 : 耐震性のある構造であるか。

2)防災設備 : 火災や避難時の安全を確保するための防災設備が充実しているか。

3)避難経路と避難計画 : 避難経路が明確に示され、避難計画等が整備されているか。

4)防災訓練 : 災害を想定した訓練が実施されているか。

5)防災備蓄 : 災害を想定した備蓄がそろっているか。

6)入居者情報 : 家族構成や連絡先など整理されているか。

これらの要素により、災害に強いマンションは、住民の生命と財産をより効果的に保護することができます。一方、災害に弱いマンションでは、災害時の被害リスクが高まる可能性があります。したがって、地震や台風などの災害が頻発する地域では、災害に強いマンションの準備が重要となります。

【 2. 災害に弱いマンションとは 】

1)保険に加入していない!

2)お金がない!

3)区分所有者の連絡先が解らない!

【 3. 災害に強いマンションへ 】

迅速な復旧対応に向けて、出来るだけ短い期間で元通りの生活に戻れるよう、コミュニケーションが普段から取れている管理組合にすることです。マンション内には様々なノウハウを持った方が住んでおり、災害が発生した時は復旧に向けて集結出来るような仕組みを作っておくことが重要です。そして、それぞれの有益な情報を取りまとめ、解りやすく住民に伝え、復旧に向けてベクトルを合わせることが重要と考えられます。

【 4. 最後に 】

 災害時は各々が通常の心理状態ではなくなります。お互いに足を引っ張り合わないようコミュニティー形成を図り、資金の確保をしておくことが重要です。

 次回は、「震災対策」についてお話します。